tr
コマンドは、文字の変換や削除を行うためのユーティリティです。標準入力から文字を読み取り、指定された変換や削除を行った後、標準出力に結果を出力します。
基本的な構文は以下の通りです。
tr [オプション] [引数]
-d
: 指定した文字を削除します。-s
: 連続する同じ文字を1つに圧縮します。-c
: 指定した文字以外の文字を対象にします。以下にいくつかの実用的な例を示します。
小文字を大文字に変換する例です。
echo "hello world" | tr 'a-z' 'A-Z'
特定の文字を削除する例です。ここでは「l」を削除します。
echo "hello world" | tr -d 'l'
連続するスペースを1つに圧縮する例です。
echo "This is a test." | tr -s ' '
数字以外の文字を削除する例です。
echo "abc123def456" | tr -cd '0-9'
tr
コマンドはパイプと組み合わせて使用することが多いので、他のコマンドと連携させると効果的です。tr
はファイルを直接操作することはできないため、必ず標準入力を使用する必要があります。